以前から「る・ばる」の芝居作りに注目していました。
「る・ばる」で上演された、永井愛作「ダブルアルバム」を、私も演出する機会があり、永井さんに作品が出来るまでの経緯を聞いた事がありました。
企画から、公演、打ち上げに至るまで文字通り三人の手作りな作業だという事。
台本も、三人が永井さんに会い、説得し、台本会議と称しておしゃべりやら話し合いやらとことん語り尽くして、それを永井さんが台本に仕上げていく。本当に、四人の共同作業が見事に結実した作品でした。
かと思うと、昨年は20周年をむかえながら、作家、演出家、男優陣と、初めての顔ぶれを揃えて「る・ばる」の果敢な挑戦は終りません。
その「る・ばる」と、まさか一緒に芝居を作る事になるなんて…。
私が、田岡美也子さんから電話をいただき、新宿のとある喫茶店の階段をおそるおそる上っていったのは、昨年の春だったっけ。
永井さんから聞いていた通りの、三人の迫力に圧倒されながら、ああ、これが「る・ばる」なんだと、ちょっとうれしくなったのでした。
一度も一緒に芝居した事などないのに、大丈夫、この三人とならできると思ったのはどうしてだろう。
どんな舞台ができるのか、私が一番見てみたい。今、そんな心境です。
木野花